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初体験 ステップ65

 京平は僕の中に入れておいて指をゆっくりとだけど動かし始める。 だけど、そんなゆっくりな動きに僕の方は物足りなくなってきたのか、気付いた時には、 「ふぅ……んん……も、もっと……」  僕はそう言ってしまっていた。 多分、気持ち良かったからそう言ってしまってのであろう。 そして涙目で京平の事を見つめる。 そんな僕に京平は微笑んでくると、激しく指の出し入れが始まった。 「やぁん! はぁん! ぁあん!」  って京平の指が僕の中で出し入れを繰り返す度に僕の声が上がり、背中を逸らす僕。 だけど立ったままの体勢なもんだから、危なく京平から落ちる手前で京平が腕で僕の体を支えてくれる。 「やっぱり、この体勢だと私の方は大丈夫だけど……玲音の方が耐えられないかな? それに玲音は気持ち良くなってくると背中を逸らす癖があるしね」  その言葉をクスリとしながら言う京平。 その京平の言葉が当たり前過ぎてぐうの音も出ないとはこういう事なのかもしれない。 やっぱ京平っていうのは何でもかんでも凄いと思う。 だって僕から言い返せなくなってしまう位なんだもんね。  逆に言えば、ただただ僕に気持ち良くなってもらってたいって事なのかな。 「床に座ってとかにする? 流石にこの高さから落ちたらヤバいしね。 このままの状態で救急車に乗るのは流石に恥ずかしいでしょー?」  その京平の言葉に僕は吹き出しそうになる。 だって京平の頭の中ってこう先先の事を考えてくれるからだ。 確かに落ちるかもしれない。 とは思ったものの、裸のまま救急車に乗るって事までは想定してなかったからなのかもしれない。  その京平の言葉に僕は頭を頷かせると、 「じゃあ、諒馬君達がマットを使ってるから、僕達の方は浴槽の縁に座ってかな?」 「それがいいのかもしれないね。 こう立ったままっていうのは、挿れる時にでいいかな? あ、いや……玲音事を抱き上げてじゃなくて、立ったままで後ろからっていうのもいいよねー?」  あ、そういう事ー。 それなら僕にでも出来そうだ。 だから僕は京平の事を見上げて、 「……そうだね」  とだけ答える。 「今の体勢はもう少し僕に筋力が付いてからじゃないと挑戦する事は出来ないんじゃないかな?」 「ま、そういう事になるよね」  そう二人で納得すると、最後にその体勢のまま唇を重ねて京平に下ろしてもらうのだ。 そして僕はさっき京平に言った通りに浴槽の縁へと腰を下ろすと、京平に向かって両手を伸ばす。 要は京平に向けて「来て」という意味だ。

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