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第58話
白い喉をさんざん舐めた後はそこに軽く歯を立て甘噛みをする。嵬仁丸は人の姿の時も犬歯が長い。その犬歯を喉に突き立てられるとぞくぞくする。
嵬仁丸の唇が首から鎖骨、やがて胸の印へ辿り着いた。普段は自分でもそこにあることすら忘れている場所を温かい舌でぺろぺろと舐められ戸惑う。
「う……おらは女子おなごじゃないから何 もないよ?」
「ふふ、分かっている。だが、桜の花びらのようなあまりの可憐さにな……それに、こうしていると何やらこのように」
いつの間にかぽっちりと立ち上がった粒を嵬仁丸の舌が器用に捏ね回す。すると経験したことのないむずむずとした感覚をおぼえ、次第に腹の中がじんわり熱くなってきた。
「ふぁ……嵬仁丸様……なんか変じゃ」
「ああ……お前の発情の匂いが強くなった」
嵬仁丸がわき腹に手を這わせながら、胸の粒を口に含みちゅぶちゅぶと吸い上げれば、佐助の腰が震え始めた。
「あ、あ。……ひぁぁっ」
突然佐助が身を仰 け反らせる。
「これか?」
佐助の反応に、嵬仁丸がもう一度胸の小さな膨らみに犬歯を立てて噛んだ。
「ああっ」
また小さな悲鳴を上げた佐助は無意識に腰を揺らせてしまう。その姿が嵬仁丸を昂らせたのか、吐息がふうふうと獣のように荒くなってきた。両手で佐助の細い腰をがしりと捕まえ、執拗に粒を舌で転がし、吸い上げ、噛む。
「あ、嵬仁丸様ぁ……変になる……腹ん中がどんどん熱うなる……」
捉えられた腰を捩 じり身悶える佐助の雄のしるしは、まだ何も刺激が与えられていないのにつんと勃ち上がり、先端からはとろとろと蜜を滴らせ始めていた。
鼻をすんと鳴らした嵬仁丸がようやく胸のしこりを解放し、はあはあと息を乱す佐助を見下ろした。
「ふふ、淡い桜の花びらが、熟れたさくらんぼになった」
散々しゃぶりつくした胸の小さな膨らみを爪先で引っ掻けば、佐助の体はぴくんと跳ね、屹立がふるりと揺れた。
「そして益々お前の匂いが強くなる。ああ、堪らん」
嵬仁丸は佐助の下腹に顔を近づけ、臍のあたりをべろりと舐めた。
「ああ、うまいな」
そこは佐助のものから溢れて垂れた透明の蜜で濡れていた。腹に零れていたものを全て綺麗にするようにべろべろと舐めあげる。
「はあ……ん」
腹を這いまわる濡れた舌がくすぐったい、などと佐助が思っていられたのは束の間だった。
「あんっ」
「なんと愛らしい」そんな呟きと共に、嵬仁丸の指が佐助の花芯を下からつううとなぞり上げたのだ。その指からはあふれた蜜が糸を引いている。そのぬめりを嵬仁丸はうまそうに舐めた。
「ここも美しい果実のようだ」
ふるふると揺れる佐助のものに鼻を近づけるのを見て、佐助はうろたえた。
「そんなところ、そんなに見んで。匂いを嗅がんで」
そう訴えようと思ったのに、出来なかった。嵬仁丸の長い舌が屹立をじゅるりと舐めたのだ。
「ひゃあっ……あ、あ、んんんー」
初めての強烈な刺激に、変な声が出てしまう。
「そんなん、駄目じゃぁ……、やめてぇ、あっ、んふ」
やめるどころか嵬仁丸の舌は桃色の竿にぬるりと絡みつく。
「ますます溢れてくるな」
どこか嬉しそうな声でそう言うと、嵬仁丸は先端の蜜のふくらみをぺろりと舐め、鼻息を荒くした。
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