な、なんね？これは！？なんか、おらの思うとったんと違う。 人の交尾を見たことはないが、獣の交尾なら数え切れぬほど見てきた。雌が交尾相手の雄を認めると、獣によっては多少はじゃれ合うものの、たいていはすぐに雄が雌に性器を突き入れる。あとは覆いかぶさった雄が何度か腰を振り子種を雌の体内に仕込めば終わりだ。 だのに、だのに、これは…… 佐助の混乱をよそに、嵬仁丸は妖艶に目を細めたかと思うとおもむろに佐助のものを口に咥えた。 「うわぁ、ええっ！？……ふ、っくぅ……」 嵬仁丸様ってば、いったいなんてことするんじゃっ。じゃけど……ああ、なんという気持ちよさじゃ……熱うて滑っておって……ああ腰から下が溶けてしまいそうじゃ……。 嵬仁丸にこんなことさせてはいけないと思うのに、より深く根元まで咥えられ、ますます高まる快感に「ああ……かいじん……まる…さまぁ……」と舌足らずな声を出すことしかできない。 「ああ……んん……」 にゅるりと熱い舌が蠢いて更なる快感が押し寄せ、次第に腰に甘い痺れが溜まり始めた。いかん、このままでは出てしまう。 だが、そんな佐助を追い詰めるように、嵬仁丸の口の中で舌が佐助の肉棒に絡みつき弱いところを擦り上げる。 「あああ、いかん……嵬仁丸様、駄目じゃ」 涙目になりながら敷布をきつく握りしめ、なんとか快楽の波を凌いで逃れようとする。しかし熱い舌は容赦なく絡みついてくる。 「あ、あっ……もう無理じゃっ、離してっ」 だが嵬仁丸は口を離すどころか、体をびくびくと震わせる佐助を追い上げるように、じゅぶじゅぶと花芯を吸い始めた。 「んっ、あ、あああーっ」 とうとう我慢の限界がきて、嵬仁丸の口の中で盛大に熱を放ってしまった。 「はっはっ……あぁ、おら、なんてことを」 取り乱す佐助をよそに、嵬仁丸はなおも佐助のものを離さず、全てを搾り取るように吸い上げる。最後の一滴まで口にしたところで満足したのか、ようやく顔を上げた。だが、なんとも不思議な表情をしている。 「ご、ごめん、おら、とんでもない粗相を……飲んでしもうたん？……あれ、どうしたん？」 嵬仁丸が自分の喉や胸のあたりを手で押さえている。 もしかして、あんなもん飲んだせいで具合が悪うなった！？ 佐助はますます慌てたが、ふいに嵬仁丸が笑った。 「そうか、当然といえば当然だ。ふふ、お前のものは命の味がした。考えてみれば、これは命の源なのだから、当たり前だな」 「へ？おらの、その……あれに、精気があったってこと？」 「ああ、精気の塊だ。美味であったぞ。よって、ますます漲(たぎ)ってきた」 そう言って妖艶に笑ったかと思うと、両腕で佐助の体を軽々と抱き上げ自分の腿の上に向かいあうように座らせた。 「ああ、なんと初々しくありながら艶やかなことか。このような番を持てて私は幸せ者だ」 頬を摺り寄せ、佐助の耳や首筋に鼻を埋(うず)め、髪を撫でる。 「ん……でも、なんか思うとったんと違う」 だって、雄が子種を出すんが交尾じゃろうに、肝心の嵬仁丸様はまだ…… そこでふと嵬仁丸のものへ目をやり、佐助は驚愕した。 な、なんちゅう立派な。まるでおらの腕ほどないか！？ 嵬仁丸の股間からそそり勃つものは隆々として猛々しく、自分の持ち物とはまるで比べ物にならぬ長さと太さに張り詰めている。