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第83話 現実逃避。
正臣は、片方の指で俺の胸を撫でながら、もう一方の手は俺の昂る硬芯を掴んでソレを口に含んでいた。
ひたすら躰の芯を駆け巡る快感に酔いしれながら、正臣の頭を掴む様に悶える俺は、さっきまでの胃の痛みも忘れている。
どんなに抗ってみても、正義感をかざしても、結局俺は正臣に抱かれたくて仕方がないんだ。
................ん、...............
やがて伸ばされた指は、縫い目を辿りながら後孔にあてがわれる。
正臣の口淫によって溜められたものが、潤滑油がわりとなり俺の後孔に塗り込められると、指先はいとも簡単に中程までのみ込まれてしまったようで。
「すごい.....、もう半分入ってる。.............痛くない?」
そう訊かれ、「.........バカ、..........恥ずかしい........」と、俺は顔を背けた。
尚も正臣の指が増やされると、我慢が出来なくなった俺は「も、う..........キテ」と懇願する。
早く繋がりたい。
正臣のモノで俺の中をいっぱいにしてもらいたい。苦しい程に、貪欲に求める俺に、正臣はふぅーっと呼吸を整えると、入口へ当てがった己の分身を徐々に挿れてきた。
はぁ、............っ、ん..................
割り開かれた膝を持ち上げると、躰ごとのしかかる様に俺の中に入ってくる正臣。
俺は幸せだった。こうして繋がれる事で、たとえひと時の現実逃避になろうと、今は俺と正臣二人の世界。他に誰もいない。
んっ、んっ、んっ、.................
荒い呼吸を吐きながら、背中に回した指先に力を込める。
今は、コイツを誰にも渡さない。俺の、俺だけのおとこ..................。愛する、おとこ.................。
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