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 眼前には柔らかな湯気を湛えた粥が用意された。  餓えた身体はそれを一心に欲し、ひたすら貪った。  熱い。味等判らない。熱い。喉が絡み付く。熱い。旨いのだろうか。熱い。肺が悲鳴を上げた。  飢えていたのだ。  それだけが頭の中で真実だった。

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