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痛みなどというものは一過性のものに過ぎない。
其れは直に熱と成り、僕を焼いた。
躯の中に焼けた鉄を押し込まれたようだった。
肉が焼け、爛れ、絡み付く。
僕は弟の死骸を思い出し、嘔吐しそうになった。
「すまない」
男の声が優しくて僕の胸から焼けるような嘔吐感が失せた。
代わりに訪れたのは、例え様も無い、
悦楽。
僕は仰向きのままほとんど吊された状態で真上から犯された。
その熱い肉棒は将にたたき付けるという表現が相応しく、僕は無理矢理蒲団と自分の躯との間で曲げられた首の痛みも知らず、声にならない悲鳴を上げ続けた。
その度びちゃびちゃと尿道口から滴る小用とは違うさらりとした液が唇に、鼻に場も弁えず降り注ぎ噎せながら快楽を貪った。
今までの悪癖など、これに比べたらなんと安易な遊びに過ぎなかったのだろう。
男の張り出た亀頭のカリが僕の肉の中でごりごりと堅くなったシコリを浅く深く突く。
その度僕の躯は太鼓橋の様にのけ反り身悶え、撥ねた。
「ぁ゙―――」
僕の息は喉に絡まり妙な音を立てる。
それが僕の発せられる声だった。
僕は身を攀ることもゆるされない強力な力に因って逆さまに吊され、楔を穿たれ、尻の穴のぐいぐいと拓かれるのを感じた。
「ぁ―――!」
髪を振り乱し、勃起した隠茎を振り回してがくがくと揺さぶられる。
「杳」
男の呼ぶ名は僕の名と成る。
「――――!」
男の凶暴なマラが僕の一番奥、骨の突き当たりを容赦なく穿った時、僕はシーツをしっかと握ったまま痙攣して射精した。
薄い精液は僕の睫毛を濡らし、微かに戦慄なかせ、青臭い臭いで鼻孔を突いた。
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