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杳
彼は、睦言の最中に僕を杳と呼んだ。
僕は返事ともつかない曖昧な返事として、唇を開き、舌を差し出す。
彼の舌は僕の舌を絡め捕り、再び言葉がなくなる。
僕は彼の胸に爪を立てる。
まるで猫のように、小さな抗議の様に。
彼はそれを無視して、僕の小さな胸の尖りを指先で押し潰す。
股間に甘い痺れが走り、舌先が震える。
ぴくぴくとつま先が痙攣する。
「気持ち良いか」
僕は壊れた玩具の様に首を縦に振る。
彼は目を綻ばせ、僕の中心に指先を伸ばす。
それは酷くゆっくりした手つきで、悪戯に太股を撫で、持ち上がった陰茎の付け根で腫れあがる睾丸を指先でつぶし、漸く僕の求める場所に辿り着く。
辿りついてからも、彼の指先は意地が悪い。
皮を被ったままの僕の陰茎をさするように扱き、その後、撓みのある茎側面の皮を爪の先でつまんで、伸ばしたり抓ったりする。
「―――!!―――!!」
その度僕は、声のない嬌声を上げ、潤んだ目で彼を見た。
僕は彼の膝の上で、着物の前を寛げられている。
胸から腹までと、股間をさらけ出し、はふはふと世話しなく息をする。
帯がだらしなく、腹に巻きついていた。
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