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 彼が死んだら。  「あー…」  僕も生きてはいけない。  「来るな、来るな、来るな…」  彼の手がもがく。  彼の目は僕を映していない。  それでも。  僕は彼の胸を撫で、茂った陰毛に触れた。  僕が、彼を繋ぎとめる方法なんて、此れしか思い浮かばなかった。  少し考えれば、其れが如何に体力の消耗の激しい自殺行為か判ったはずだ。  でも、僕には此れしか、手段が思いつかなかった。  「厭だ…厭だ厭だ…」  彼の性器はしな垂れて、皮が撓んでいた。それを丁寧に上下し、其の皮が張るまで丹念に愛撫した。  なかなか、勃起しないのかと思ったが、案外すんなりと、彼の一物は大きく膨らんだ。  死を際にした時、動物は性衝動にかられるのだそうだ。  縁側で彼が笑っていたのを思い出した。  子孫を残そうという本能が働くのだそうだ。  それより寧ろ。  僕は彼の股間に蹲り、僕の片手では握り切れない彼の一物を口に含んだ。  彼は僕に繋ぎとめていて欲しいのだと思いたかった。  僕は、彼によって此の世に繋ぎ留められたから。

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