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 僕はたっぷりの唾液を彼の精器にまぶした。  僅かばかりながら滲むカウパー液。  僕は自分の指を咥え、其処にも唾液を塗した。  「~~~…」  強引に肛門に指を突き立てる。無理やりこじ開けて、痛みに顔が歪んだ。  「鬼が…」  彼の目は光をなくし、うわ言めいた呟きを繰り返す。  「うぅ…あぁ…」  彼の呻きは僕の外に在って、僕は指先で双丘を押し開き、彼の肉棒の上に腰を下ろした。  「――――!!!」  丹念に慣らさなかった肛門はめりめりと悲痛な叫びをあげながら、彼の性器を迎え入れる。  僕は何度も腰を上げそうになって留まった。  裂けて仕舞そう。  もし、躰が裂けて、僕が死んでも、彼が生きていてくれるならそれで良い。  良いのに。  「!!!」  彼の肉棒を胎内に納め、僕は仰け反った。仰け反って盛大に精液を噴射させた後、彼の胸に落ちた。  「あー…あ…」  彼は相変わらず呻いていた。  其の目には天井だけが映る。  お願い。  僕を見て。  僕を排除しないで。  繋がっていて。  「!!…!!」  僕は自ら足を使い、腰を揺さぶった。ず、ず、と、重い音がして、乾いた肉が、肉棒に張り付いたまま露出しては押し込められ、擦られ、出血する。  其れに気を向けることもなく、僕は腰を振った。

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