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 出血のせいか、滑りが良くなる。  じゅちゅじゅちゅと音を立て、僕の下肢は揺れる。振られる。振り回される。  肉が絡み、彼の肉棒が変わらず、僕を突き上げる。  突き上げられ、僕は何度も気をやりそうになる。  酷い痛み。  意識を失いかける。  でも、どうか。  右耳を彼の左胸にぴったりとくっつけた。  音がしている。  僕は安堵する。  「あー…あー…」  彼はまだ呻く。  僕は必死に彼の物に肉を絡め、彼を繋ぎとめようとする。  繋がったままでいれば、彼の魂も、繋がっていてくれる。  なんの根拠もない。  無いけれど、其れしか、思いつかない。  「鬼、」  色のない表情が返って恐怖だった。  ねぇ、僕を見て。  怖いものなど見ないで。  僕を見て。  僕は腕を伸ばし、彼の目を見た。  「杳」  彼の言の葉に色が付く。

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