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第34話

一縷は前立腺に当たるようにゆっくり腰を動かし始める。 「そこ…ダメ……」 「コリコリしてるの分かるか?」 「分かるからっ!だから…ダメ……」 「それなら、これならいい?」 もう抜けちゃうっていうギリギリまで引き抜いて、一気に奥まで突き入れてきた。 ばちゅんっ! 肌と肌がぶつかり合う音が聞こえた。 「かはっ……!!!」 いきなり最奥まで突き入れられ、整えていた呼吸が一気に乱れた。 ある程度奥まで来るだろうと予想はしていたけど、最奥まで来るとは思っていなかった。 最奥のさらに奥まで入れようと、一縷は肉襞を押し分けて入ってくる。 「それ…以上…は…ダメっ!」 もう自分が何を言っているのか分かっていなかった。 というか、意識を上回る快感に飲まれてしまった。 「もっと奥まで行けるよな?」 そう言うと、気持ちよくなると中が広がることを知っている一縷は僕の乳首を抓って、更なる快感を与えてきた。 ググッと一縷自身が奥に到達するのを感じる。 開いてはいけない扉を開いてしまった。 そんな感覚だった。 「そこ…は…ダ…メぇ…」 「いい子だ。もう少し奥までがんばろうな?」 まだ奥に入ると言うのだろうか? もうこれ以上は無理。 だけど、体は簡単に裏切ってくれた。 一縷がパコパコと奥と突くと更に奥へと続く扉を開いてしまった。 ゴツッ 届いてはいけない場所まで届いてしまった。 その頃には快感の海で溺れてしまっている僕の意識はない。 何を言っているのかすら、言われているのかすら記憶にない。 そんな状態だった。 それから、一縷はそれまで我慢していた欲を全部吐き出すかの如く、全身でぶつかってきた。 全然体に力が入らないから、一縷にされるがままな状態。 どれだけ時間が経ったのだろう。 (生暖かい物が体を濡らしている) それがシャワーであるという感覚はなかった。 後孔から一縷が出した白濁が零れ出た瞬間意識を取り戻した。 零れる瞬間って何度経験しても慣れない。 漏らしているみたいで恥ずかしくてたまらない。 だから意識を手放すのが嫌なんだ。 意識のなかった僕は一縷の抱えられてお風呂に入れてもらっていた。 「いち…」 「気付いたか?体痛くないか?」 「腰、痛い…」 「ごめん…俺も本能に意識持って行かれて何したのか覚えてない…」 「いいよ。……これでできちゃったね」 「そうだな。きっと俺たちならやっていけるよ」 「うん。これから大変になるかもしれないけど、よろしくね」 「なるべくサポートするから、何でも言ってくれよ?」 「うん。ありがとう」 浴槽に湯を張り、二人で入るには狭い湯舟に一緒に入った。

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