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第50話

右京が無事産まれ、一縷は仕事に戻った。 一縷がいない間、重要案件が多数来ていたが、締め切りを延ばしてもらったことと一縷の手腕の凄さによって、ものの三日で片付いた。 部下との約束も果たされた。 翠玉庵の高級懐石フルコースに飲み放題をつけて振舞った。 金額的にはかなりの高額になったが、日ごろの感謝を込めて、好きなようにさせてやった。 蒼はというと、右京に付きっきりだった。 思った以上に元気いっぱいな子で、やんちゃし放題だった。 最初のうちは毎日何かしらのハプニングに見舞われたが、最近は何とか回避させることができるまでになった。 一縷と蒼は相変わらずのラブラブっぷりで、周りが羨む程だった。 三人家族になり、幸せ度が増したことで、二人が見ていた前世の夢もだんだん見なくなり、前世の記憶もあやふやになってきた。 前世の二人の思いが昇華したことによるところが大きい。 『三人で幸せになりたい』 その思いは今果たされた。 これからの一縷と蒼と右京。 前世の三人が見守り、ずっと幸せな毎日を送っていった。

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