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繋がる記憶。重なる思い5※
暁は腰をぐりぐりしながら、窮屈になった自分の前をくつろげた。
……今日あんだけ酷使したのに、俺の息子めっちゃやる気じゃん……。
元気いっぱいな愚息に、嬉しいようなちょっと情けないような複雑な気分だ。
雅紀のものに自分のものを擦り合わせながら、仰け反って喘ぐ雅紀の、突き出された胸に口を寄せた。
シャツの薄い布越しに、既に感じてぷつっと飛び出てる尖りを探しあて、布ごと唇で摘まんで引っ張る。
「あっ……んやーーぅ」
更に飛び出た乳首に吸い付いたまま舌を動かす。
「あんっあっあっ」
雅紀は子猫みたいな可愛い声で鳴き、ぷるぷるしながら、暁の頭を両手で掴んで自分の胸に引き寄せる。
「もっと、して、欲しいんだ?これ、気持ち、いい?」
「やーあっあん」
首をふり、いやいやしているくせに、暁の頭を離さない。暁は思わず笑いながら、舌でれろれろしてやった。
「あっあっ...…あ、あ」
口を放し、舐めていた場所を見てみると、その部分だけが暁の唾液で濡れて、尖った乳首が透けて見えている。
……うっわ……やらしー眺め……。なんかエロ度増してんだけど、こいつの乳首。
暁は息を荒げ、再び美味しそうな果実にかぶりついた。そっと歯をたて甘噛みすると、雅紀はせつなげに身体を丸め、暁の頭を抱き締めて喘ぐ。
暁の身体を跨いで膝だちになった雅紀の、後ろに手を伸ばした。両手で小さな丸みを掴んで開き、その奥のすぼまりを探る。
「……んっぁ、やあっそこ……だめ…っ」
「だめ、じゃねーだろ、ほしい、だろ?」
言いながら見上げると、目元を染めて、瞳を潤ませた雅紀と目が合った。
澄ましてる時のこいつは、近寄りがたい美人さんだが、こうして感じるのを必死で堪えてる顔は、ちょっと幼くなってめちゃ愛らしい。
暁が顔をのぞきこんでるのに気づくと、雅紀は一層赤くなり、恥ずかしそうに手を翳して、暁の目を塞いだ。
「やっ見ないで…」
暁は首をふって雅紀の手をかわし
「なんでだよ~。ちゃんと顔、見して」
「やだっだめですっ」
懲りもせずに、まだ暁の目を塞ごうとして、じたばたしている。
……おい。……こんだけやることやってんのに、まだ羞じらうとか……。くっそぉ~可愛い過ぎなんだよっ。
暁は鼻息も荒く、雅紀の蕾を弄ろうとして、はた…と手を止めた。
……やべ。ローションかゼリー、どこだっけ?
記憶を辿ってみる。たしか救急箱にしまって押し入れの収納ケースの中……。
暁は手を伸ばしても到底届きそうにない押し入れを、ちろっと恨めしげに見た。
この盛り上がった雰囲気を一時停止して、押し入れをがさごそするのは…なんとも惜しい……。というか間抜けだ。
でも、潤滑材もなしに雅紀の身体を解すなんて無理だ。
……うーん……男同士ってのは、こういうのがちょっとめんどいよな。他のやつらってどうしてんだろ。
蕾の入り口に指を置いたまま、難しい顔をし始めた暁に、雅紀の顔から赤みが消え、むしろ青ざめ始めた。
「暁さん……。やっぱり嫌?俺……汚い?」
すっかり熱も冷めた表情で顔を強ばらせて聞いてくる雅紀に、暁は一瞬?マークを飛ばしてから、はっとして
「やっぱり汚いって何だよ」
「……っ……だって……。俺の動画……見たんですよね……?」
「動画?……ああ、あの変態野郎の撮ったヤツか」
「うん……。俺、記憶があやふやだけど……自分がどんなことやってたかは……覚えてます…」
「んー。忘れろ、忘れろ。綺麗さっぱり忘れちまえ。あれはな、変態瀧田に薬でおかしくされてただけだ。あんなの、酒の上での失敗より不可抗力だかんな。お前が気に病む必要なんて、これっぽっちもねえから」
暗い顔で項垂れてしまった雅紀を、暁はぎゅっと抱き締め
「まあ、忘れろってのは無理かもしんねえな。でもさ、それで俺の気持ちまで疑うのはやめとけ。俺がお前を汚いなんて思うわけないだろ」
「……でも……暁さん……やめちゃったし……。触るの嫌なのかな……って」
「ちげーよ。あのさ、ローションとか、押し入れん中なんだよ。で、準備悪ぃな~俺って。せっかく雅紀がエロエロ天使になってんのにさ」
「や……なってないです、そんなの」
「もうさ、かわゆいよな、お前。見ちゃだめです~なんて、真っ赤な顔で羞じらっちゃってさ。そんなの見たら、俺、テンションMaxだろ」
雅紀の頬が再び、じわじわじわ~っと染まっていく。暁は雅紀の鼻の頭にちゅっとすると
「ちょっと待ってろ。今ローション取ってくるな」
暁はひょいっと雅紀を布団に座らせると、立ち上がって押し入れを開け、救急箱を取り出した。
「お。あったあった。なあ雅紀?お前ローションとゼリーってさ、どっちの方が気持ちいいの?」
両方手に持ち振り返ると、更に赤くなった雅紀の顔。
「……どっち……でも…」
消え入りそうな声で呟いて、暁から目を逸らした。
暁はにまにましながら、
「どっちも気持ちいいんだ?」
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