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繋がる記憶。重なる思い4※
何かに追いかけられている夢を見て、はっとして飛び起きると、部屋の中は薄暗く、暁の姿はなかった。
雅紀は早鐘を打つ自分の心臓の辺りを手で押さえ、キョロキョロと周りを見回した。
違う。ここは瀧田の屋敷じゃない。
ここは暁のアパートだ。
自分の記憶のどこからが夢で、どこからが現実なのか、寝起きのぼんやりした頭では判別出来ない。
ただ漠然とした焦りだけが、胸の奥からせりあがってきて、雅紀は掠れた声で暁の名を呼んだ。
「暁さん?……どこ?……ね、いないの?……っ。暁さんっ……暁さんっっ……暁さん!!」
「雅紀っ。どうした!」
キッキンの方の襖が開き、焦った様子の暁が顔をのぞかせる。怯えた表情の雅紀を見て、慌てて駆け寄り
「あーごめんっ。洗濯機の音、煩いかと思ってさ、そこ閉めたまんまだったな。大丈夫だ。俺はどこにも行ってないよ。今、飯の用意しながら洗濯してただけだ」
いつの間にか陽が傾き、部屋が薄暗くなっていたのも、日中でも電気を点けないといけないキッキンにいて、気づけなかった。暁は内心自分に舌打ちして、急いで部屋の灯りをつけると、救いを求めるように伸ばされた雅紀の手を掴み、その場にしゃがみこんで抱き寄せた。
「悪かった。びっくりしたよな。心配すんな。俺はどこにも行かないからな」
雅紀は暁の腕の中で、コクコクコクと頷くと、背中に手をまわしぎゅ~っと抱きついてくる。
雅紀が落ち着くまで、しばらくそのまま抱き締めていた。
やがて雅紀はもぞもぞとして、暁の身体から手を離すと
「ごめんなさい……も、大丈夫。俺、邪魔しちゃった……?ご飯、作ってる途中だったんですよね」
「いや。ほとんど出来てるから気にすんな。お前も腹減ったろ?朝しか食ってないもんな。飯、食うか」
雅紀は暁の唇にちゅっとして、恥ずかしそうに目を逸した。暁はニマぁっと笑って
「お。先越された。お目覚めのちゅうかよ。おはよ、雅紀。俺からもな」
雅紀の顔をのぞきこみ、わざとリップ音をたててキスをする。雅紀の頬がじわっと赤くなるのを見て、更に唇を重ねた。雅紀は目を閉じて素直に口づけに応える。
唇を割り、慌てて引っ込む舌を追いかけ、自分の舌で絡めて、ちゅくちゅくと音をたてて吸うと、雅紀の身体からカクンと力が抜けた。
「んっふ……ぅ……んぅ……ん、ん」
鼻から甘い息がもれ、暁の耳に心地よく響いてくる。
雅紀は布団の上に横座りして、暁のシャツを両手で掴みしめていた。キスしながら、ちらっと視線を向けると、シャツの間から綺麗な足が見えて、暁は思わずドキッとした。
……うわぁ……彼シャツ効果ばっちりじゃん。エロいな……。触りてぇ……。
暁はちょっとドキドキしながら手を伸ばし、雅紀の太ももをスルッと撫でた。雅紀の身体がピクンと震え、鼻から可愛い声がもれる。
気をよくして、更に大胆に手を動かし、雅紀の毛の薄い肌の感触を堪能する。
……やべぇ……お肌つるつるじゃん。内側とか超柔らけぇのな。
キスしながらもじもじし始めた雅紀の、内腿に手を滑らせ、さわさわと撫でる。閉じあわせようとする両足の隙間に手を捩じ込み、かなり際どい付け根あたりを擦ると、雅紀は堪えきれずに唇を離し
「やっ暁さん……だめっ……んあっああんっ」
暁の手がぺニスをかすめ、思わず出してしまった声に、雅紀は真っ赤になって口を押さえた。暁はにやっとして
「……えろい声、出してんじゃ、ねーよ」
暁の吐息も熱っぽい。柔らかい内腿の感触を楽しみながら、時折、勃ち始めた雅紀のものにわざと指を掠める。
「っあん……っあっん」
雅紀の声がやたら可愛い。感じているんだと嬉しくなり、トランクスの隙間から手を忍び込ませた。
「やっ……んっだっめ…」
「んー?何がだめ?なぁ雅紀」
お得意のハスキーボイスで、甘く囁いてみる。雅紀はふるふるっと震え、暁の悪戯な手を弱々しく押さえた。
「んっ……だめ……そこ、触っちゃ……っあ…あんっ」
「なんでだよ……お前のここ……嬉しいって、言ってんじゃん」
差し入れた手で、直に雅紀のものに触れる。きゅっと軽く握ると、あうっと鳴いて、ピクピク身体を震わせた。
「ぁ……だぁめ……っんぅ……ご飯……ぁっ食べる……ってぇ…っんっ」
「飯は、後な。お前を食べるのが先」
いやいやしている雅紀の唇を強引に塞ぐと、前をゆるく扱きながら、トランクスをずり降ろし、ふるんと剥き出しになった丸みを撫でた。
「んっうぅ……んっんっ」
雅紀はくぐもった声をもらして、腰をくねらせた。
すっかり勃ちあがった雅紀のものを、根元から擦りあげると、先走りが暁の手を濡らす。
「雅紀。これ、なに?お前もう濡れてるぜ」
暁の言葉に雅紀はきゅっと腰を引き、手を突っ張らせた。暁はそうはさせまいと、雅紀のお尻を両手で抱き寄せ、自分のものに服越しに雅紀のものを擦り合わせた。
「だめっ……暁さ、服……汚れちゃ…あうぅ」
「いいよ。んなの洗えばさ」
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