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ふたたびの恋4※
雅紀はそう言って微笑むと、湯船のすぐ横の洗い場で、髪を洗い始めた。
無防備にさらされた雅紀の色白の身体を、暁はちらっと盗み見る。
雅紀の身体は、服の上から想像していた以上に細かったが、全体的に均整が取れていて、綺麗な肌をしていた。
……男同士だぞ。身体を見せ合ったってどうということはない。落ち着け。
暁はドギマギしながら自分に言い聞かせていた。
男同士であっても、これから抱こうとしている愛しい人の身体なのだ。意識してしまうのは仕方ないだろう。
暁だった頃、自分はこの身体をどんな風に抱いたのだろうか……。
髪を洗い終わった雅紀が顔をあげてこちらを見た。暁はさりげなく視線を外し、タオルで顔を拭いて、しげしげと見つめていたのを誤魔化した。
「あのね、秋音さん……俺……ちょっと準備、あるから……先に出て、部屋で待っててください…」
ひどく恥ずかしそうに雅紀が言う。
「準備?」
「あー……うん……あの。ほぐしたり、とか…」
「ほぐす……?どうやるんだ。俺も手伝う」
雅紀は目を見張り、更に顔を赤くして
「や。あの……っじ、自分で、するし」
「いいからやり方を教えろ。おまえを抱くのに必要なことなんだろう?」
雅紀は眉尻をさげ、首を横にふり
「でもっ……恥ずかしい……から、あの…」
「俺は暁と違って、男同士のやり方は全く分からないんだ。だから教えてくれ。すぐに覚える」
真剣な眼差しで、そんなこと言われても困る。雅紀は弱り果てて暁から目を逸らし
「だって、秋音さん……嫌じゃ、ないですか?男同士だと、使うのって尻、です。女の子みたいに、濡れないし、いろいろ面倒だし」
消え入りそうな声の雅紀に、暁は湯船からざばっと立ち上がり
「ばか。抱かせろって言ったのは俺だ。嫌だったら言わない。それに尻を使うことぐらいは俺でも知っているぞ。そんなこと気にするな」
おずおずと顔を向けてくる雅紀に、暁は笑いながら手を差し伸べ
「暁の時はおまえを抱けていたんだろう?同じ自分なのに悔しいじゃないか。俺もおまえを気持ちよくしてやりたい」
暁の駄々っ子みたいな言い方に、雅紀は驚いて目を見張り、くすくす笑い出した。
「秋音さん……すごい負けず嫌い。自分自身に対抗意識燃やしても…」
「こら、笑うな。来いよ。ほぐすやり方、ちゃんと教えろ」
「え……でも……うー…」
雅紀は煮えきらない態度で尻込みしていたが、暁にぐいっと腕を掴んで引き寄せられて、ようやく覚悟を決めたらしい。
暁の正面に向き直り、上目遣いに見上げてくる。暁は屈み込んで、優しくキスを落とした。
「で。どうやるんだ?」
「ん。あの……。とりあえず後ろ、俺洗うから、秋音さん……向こう見てて…」
「分かった」
言われた通り後ろを向くと、雅紀はそろそろとタオルを外し、ボディソープで全身を洗った後で屈み込んで中を洗った。
「秋音さん、のぼせちゃわないですか?」
「おまえこそ冷えるだろう。石鹸流したらこっちに来いよ」
雅紀は頷いてシャワーで泡を流すと、暁の視線を気にしながら湯船に足を入れた。
以前、暁がボヤいていたが、男2人が入るにはここの湯船は狭い。暁のボヤきを思い出して、雅紀はちょっと笑いながら
「このアパートって、今年いっぱいで取り壊しになるんです。次は絶対に風呂が広いアパート見つけるって…」
「俺が言ってたのか。たしかにな。どうせなら風呂だけじゃなくて、2人で暮らせる部屋に移ろう」
湯船に向かい合って立つと、暁は雅紀の肩に手を置き、顔をのぞき込みながらちゅっと口づけた。
「で。俺は何をすればいい。……触っても、いいか?」
そろそろと手を伸ばし、雅紀の腰に触れる。雅紀は微かに声をあげ、ぴくんっと震えた。
「敏感だな、おまえ」
細い腰を優しく撫でながら、尻の方に手を伸ばす。小さな尻だった。女のような豊かな丸みはないが、きゅっと締まった綺麗な形だ。
「おまえ、顔だけじゃなく身体も綺麗だな。ちょっと痩せ気味だが、バランスがいい。肌も白くて滑らかだ」
尻を撫でながら、感心したように呟く暁の言葉に、雅紀はますます赤くなった。
「秋音さん、それ、褒め過ぎだから…」
「お世辞じゃないぞ。思ったままを言っただけだ」
暁の指が尻の狭間にたどり着いた。薄い肉をかき分けるようにして、ごつい指が敏感な部分に触れた。
「……っあ…」
雅紀は思わず声をあげビクッとなった。
「ローションか何か、必要だよな?」
「ん……ぁ……ソープ……で」
暁は頷いて、ボディソープを手に取ると指にたっぷり絡めてから、指先をそっと挿れてみる。
雅紀の身体が緊張に強ばった。蕾もきゅっと窄まって、暁の指を押し戻す。
……こんな狭い所に、俺のが入るのか……?
暁は眉間に皺を寄せ、雅紀の表情をそっとうかがった。
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