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137.下駄預けんな!※

「あっ」  さっき出て、なのにまたビンビンになっちまってるモン、丹生田のくちン中に――! 「だっ、だめっ」  けど丹生田はゼンゼン聞いてくんねえ。つか股をがっしり抱えるみたいにされて、動けねえし!  そんで俺のは、すっかり丹生田のくちン中に収まっ……っ! てか! 「なん、えっ」  ヤベえめちゃ気持ちいいっ!!  つかこれフェラ!? だよな!?  てか、こっ、こんなイイの? そうなの? こういうモンなの? 丹生田だからじゃなくて? てかなにげに憧れてたけどっ! 初体験だしっ! 「おまいきなりっ、やめって」  離してっ! だってコレ、てかっ! まじヤバイ、つかうわ、すっ、すぐ、すぐ出るからっ! 「う、ぁあ、にゅっ」  片方の腕が股から離れ、逃げようと片脚バタつかせたら 「ぁっ、バカ」  あそこに入り込んだんだヌルッとっ! 「にゅ、ちょ」  なにがって指が! どこってだからケツの穴にっ!  あ~~てかけど! やっぱ自分でやっとけば良かった~~~~っ! つうか違和感あんだよ、分かってンだけどやっぱ! 「うあっ」  とりあえず前は萎んだ、けどっ!  アレ、怪我しねえようにって! 分かってっけどっ!  けどぬるぬるであったかいくちン中にいるんだ、しかもコレ丹生田のってヤバイって!  なんなの気持ちいくて後ろ違和感とか、冷めるからイキそうなのにイカねえってなにげにっ、マジマジ、ちょ、ヤバい、ヤバいってこれ 「やめっ、にゅうだっ」  途中から声になってた。けどンな自覚とかしてる場合じゃねえつか!  後ろの指がクチュクチュと出入りして、そんでいったん抜けたと思ったらまたは言ってきて、つか指が増えてて、中でバラバラな感じで動いて……「あっ」ビクビクッと 「うあぁ」  来たっ! アレが来たっ! 「にゅ、それダメっ、……やめ」  けど声は返らない。だって丹生田のくちは、俺の銜え込んでっから! 「だっ、にゅ」  ダメなんだってこれっ! コレ来たら、ぐあっと一気に  ダメダメ、ダメだっ! もう、もうもう~~~~っ 出る、出ちまうっ! 「うぁっ、あぁ……っ!」  びくびくっと身体に力が入る。目の奥が真っ赤になる。  出ちまった、またも! 早すぎ、しかもさっき出たばっかのに、そんで、そんで身体はまだビクビクしたまんまで……つうか出したら熱は引く。すぐ冷める。いつもそうだけど  けどけど違うんだっ、そこだと違うっ……つか 「ぬ、け……っ、ぁっ、ばっ」  指が、中に入ったまんま、つか増えてね? さっきより増えてるよな指っ! んでソコ、やめやめやめ、ダメだってソコ……っ! 「や、……めっ……だっ……」 「…………」  ふっと息を吐いた気配に目を開く。ちょい滲んだ視界に、見下ろしてる丹生田の顔。 「……見、んなっ……!」  くっそ、なんでンな満足げなんだよ。しかもちょい笑って……っ! 「…………済まん」  とか言ってるくせに見てんじゃねえかよ! 「ぅ……くぁ」  コラ指抜けっ! つうかまた指増やしてんじゃっ、なんだよ、なんなんだよっ 「わら、……ぬっ、つ……ふや…………なんっ……」  けどくちから出た声は、文句の断片だけ。ビクッ、ビクッと身体が跳ねる。 「……だっ、ぁ……ば……っ、は」  だって指がっ! 中で暴れて、「そ、や……めっ」ダメだ、身体が跳ね続けちまう、だってソコばっか……っ! 「ぁ、あ、ふっ、……んぁ」  身体は言うこと聞かねえ、ビクビクしっぱなしで……やば、来る……っ! 「……あぁ、はぁっ……っ!」  自覚も無く、チカラ入っちまった喉からヘンな声が迸ってた。  シーツを握りしめてた指や、足の指先まで力がこもって反り、また視界が真っ赤に―――― 「また、イったか」  満足げに響いた低い声と共に、また中で指がうごめく。 「んぁっ、ばっ」  「力を抜け」 「……は、で、きるか、……そんっ」  指がひっかくような動きをして、声が途切れ「ばっ!」裏返った悲鳴になっちまう。 「済まん」  とか、低いけど微妙に笑ってる声が返り、ずるりと抜け出す感覚に、またビクビクしちまって 「ふっざ、けんな……っ」  向けた声は、完全に掠れて、でも「済まん」低い声が、ビックリするほど近くから聞こえて、目を開くと同時、唇が塞がれた。  きつく吸い上げられながら、丹生田の腕が片脚の膝裏を巻き込んだまま肩をがっしりつかむ。そんでさっき指抜けたトコに、熱いモンが押し付けられ…… 「……っ」  顔振ったら唇が離れ、間近に丹生田の顔が 「ふじ、えだ」  低くきしむような声、キツく寄せた眉、食いしばった歯、残る手も肩をつかんで 「……ふ、ば、っか、……きっつ」  グイグイツッコんでくる。痛い痛い、痛いっておまえの「で、けえンだから……っ」メリメリ音がしそうな勢いだし「ちょ、マジっ」背中タップした。 「す、まん」  動きは止まった、けど。  ふぅっ、ふぅっ、ふいごみてーな息が、右側の頬や首に掛かってる。 「力を、抜いてくれ」  顔の横に顔埋め込んで、肩で息して、さっきタップしたまま手を乗せてる背中にも汗。けど「む、り」こっちだって余裕なんて無い。  いきなりフェラされて、やめろつっても後ろいじりやがって、イってんだかなんだか分かんねえ感じのまんま突っ込みやがって、そんでチカラ抜けとか無茶言ってんじゃねえっ  わっけ分かんねえじゃん、くっそ  なんだコレ、くっそ、なんだっつんだ、なんなんだよ、なにやってんだ  丹生田も、俺も、バッカみてえ  ――――と。  密着してた身体が少し離れた。うるさいくらいだった息が、聞こえなくなった。 「泣くな、藤枝」  低い囁きが聞こえ、なんか目元に触れて、舐めた。 「済まん」  消え入りそうな低い声。それは、ひどく優しい声音で。 「済まん、藤枝」  なんだよ、くっそ。今さら謝ってんじゃねえよバーカ  睨みつけて文句言ってやる! つって目を開けた、ら、間近に  汗びっしょりの、なっさけない顔が。 「ダメなら、言ってくれ。やめる」 「おま……」  こっちはすっかり萎んだつのに、おまえギンギンじゃん。肩つかんでる手だって、めちゃチカラ籠もって、額や鼻先から汗がポタッと落ちて、食いしばった歯の間から荒い息が漏れて……ああもう、全身で  ヤりてえ、つってんじゃん、おまえ! 「くっそ!」  つかまれてない方の足を、どんっと腰に回し、引き寄せる。太いのがグッと入ってきた。 「うぐ」 「藤枝っ」  くっそキツい! けど痛いとか言ってられっか!  こっちは既にハートずったずただっつの! ケツの穴くらいなんだっつの!  そうだよセフレやれって言われたんだろ! それもいきなりラブホ連れ込まれて! めっちゃ好きで好きでしょうがないヤツにセフレって! どんだけショックだと思ってンだよ!?  しかもヘタレてるコイツ見てンの嫌で、自分で部屋選んで!  マジでなにやってんだって話だろっ! ああもう俺ってバカ! 大バカ!  分かってンだよくっそ!  「おまえ! ココまでやっといてやめるとか、どんなプレイだよっ!」  食いしばってた丹生田のくちが開いて、熱い息を吐き出す。 「そういうの、やめろつったろ!」  開いたくちは、なにか言おうと動いて閉じ、ギリッと歯を食いしばる。 「こっちに下駄預けんな!」  また薄く開いた唇が震え、 「……俺は」  軋むような低い囁きが漏れ、 「自分でやれ! いい加減っ!」  縋るみてーに肩つかんでた手にグッとチカラ籠もる。 「藤枝っ」  そのまんまベッドに押し付けるみたいに、噛みつくみたいに唇押し付けられ、ぐりぐり腰押し付けてくるから入ってくる、入ってくるの分かる、ぶっといのが入ってきて、そんでズルッとちょい抜けて、また入ってくる。  なっさけねーし、ちょい痛ーし、自分がバカで腹立つし、涙出てくるし  けどもうそんなん放置だ  両腕で、丹生田を、力いっぱい抱きしめる。  丹生田の動きが激しくなって、揺さぶられて、足とかブラブラ揺れて 「あ、ふっ、……んんっ、くっ」  わっけ分かんねえまんま、ヘンな声出るけどもう、なんかそんなん気にする余裕もねえつか……  動きが止まって、ふっと、満足げな息をはいた、丹生田の気配。  そう気配。だって目つぶってるから。 「……はぁっ、はぁっ、はぁ……」  身体中チカラ入らねえ、つかグッタリで、息整えるのがやっと。  くっそ、何回ヤってんだ、がっつきやがって。どんだけ絶倫なんだつうの。でも――――  痛みがあったのは最初だけ。  わっかんねえ感じでなんかヤバいの来て、そっからガンガン来まくって……何回イったか分かんね。もう喉カラカラだし、汗とか色々デロデロつか。  なんも言えねえ、つかなに言ったらイイか分っかんねえし。  てかなに言えってんだよ? 『ステキだったよ』とか? 『すごく感じちゃった』とか? セフレらしく? アホか。  身体にかかってた体重がふっと軽くなった。すぐ後にズルッと抜ける感触 「んっ……!」  ビクビクッと身を震るわせたら、抱えられてた足が伸ばされベッドに置かれる。なんか丁寧に膝から下を撫でる手にゾクッときそうで、ふぅー、とか息吐いてなんとか耐える。  つうかある意味スポーツ後的な爽快感が、ないでもない。1500メートル走ったみてーな疲労感と倦怠感。……めっちゃ疲れた……。  額に触れた指が髪を後ろへ流すと同時、低い声が落ちてくる。 「……大丈夫か」  息整えながら目を開くと、心配そうな丹生田の目。はぁぁ~、と深い息が漏れた。 「……つうか……いまさら……」  なに言ってんだ、なんて思いつつちょい睨んだのに、丹生田はふっと笑った。 「……済まん」  おいなんだよ、めちゃイイ笑顔じゃん。スッキリ顔してんじゃねえ。やりきった感出しやがって。……なんかムッとして、思わず低い声が出る。 「謝んのかよ」  言いながら睨んじまってた。だってコッチはデロデロのクタクタなのに、そっちばっかズルくね?  すると丹生田の顔がこわばった。……まあ俺だから分かる程度の変化。そんで俺だから、なに言うかも分かるっつの。 「……す」「あぁ?」  アホ!  『済まん』とかいつもの一言で終わらせてやるかバーカ! 「…………」  くちを真一文字にした丹生田がちょっと身を引いた。

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