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第2話

「やめて!殺さないで!」 叫び声に目を覚ます。 全力で走った後のように心臓が早鐘を打ち、息が切れた。 「…殺さないでって、何を?」 自分の叫んだ言葉に疑問を持つ。 それもそのはず。少年が住んでいるこの『学園都市』は国に選ばれた優秀な人間だけが集まる犯罪や戦争とは無縁の都市だからである。 ふと、枕元にある目覚まし時計を見てため息をつく。 まだ起きるには早すぎる時間だ。 「5時かよ…」 もう一度ベッドに転がるも、一度起きてしまった頭はもう一度眠れそうに無い。 本日2回目の溜息をつき、気怠げに起き上がる。 顔を洗い、歯を磨き、軽く食事をしてからマンションを出た。 季節は春。 朝の散歩をするにはまだ寒い季節だが人がいない環境で澄み切った朝の匂いを嗅ぐのは気持ちがいい。 散歩がてらコンビニに寄り、猫缶と紙皿を買い公園に向かった。

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