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第1話
「クリスマスパーティーをしよう!」
溜まり場でダラダラと過ごす放課後、四宮がそう言った。
明日から冬休みに入るため、今日が今年最後の学校。
「何言ってんだお前」
すかさず三島さんが面倒臭そうに言うと、四宮は少し驚いた表情を見せた。
「え…、クリスマスだよ…?」
「だからなんだよ」
「パーティーしなくて、なにすんの…?…あ、もしかして二人でナニしたかっ…ブヘァ!」
「死ねや」
容赦ない三島さんの鉄拳に、四宮が倒れ込む。殴られる事がわかってても三島さんをイジってしまう四宮を見ると、只ならぬ愛を感じて仕方ない。
「…立花くん、顔ニヤけてるよ」
「…藤沢くんこそ、頬が緩んでるよ」
でも今回の四宮の提案は、正直とても魅力的だった。友達とクリスマスパーティーなんて、今までした事なかったから…。
「あーあ、ようくんとちびちゃん…期待大だねえ」
「………」
「場所は矢吹んちでいい?」
「……はぁ、しょうがねえな」
こうして、12月25日に矢吹の家でクリスマスパーティー開催が決定した。
「たしか、プレゼントは三千円以内だったよな…」
翌日、各々プレゼントを持参との事だったので、俺は一人でショッピングモールに足を運び、店内を物色する。広い店内もクリスマス一色で、キラキラとした飾りや大きなツリー、サンタさんやトナカイの風船もあった。
「…ふふふっ、クリスマスパーティー、楽しみだなぁ」
小さい頃は、俺にもサンタさんが来ていた。目を覚ますと枕元にはプレゼントが置いてあって、それがとても嬉しくて、毎年ワクワクしていた。でも弟が生まれてからは、サンタさんは弟にしか来なくなって、ケーキだって弟が好きなやつばかり…あの時感じていたワクワクやキラキラはもうどこにも無くて、俺にとってクリスマスは、楽しいものではなくなった。
だから今年のクリスマスは、本当に楽しみで心が踊る。
「んー、どれにしようかな」
誰に当たってもいいように、日常的に使えるものがいいよなぁ…なんて思いながら、タオルや入浴剤、歯ブラシなど見てみるけど、なんかこれじゃない感。みんな、どういうもの貰ったら嬉しいんだろう…。
「…あ!これ!いいかも!」
早速詰みゲーかと思いきや、それを見た瞬間、もうこれしかない!という気持ちでいっぱいになり、俺はそれをクリスマス用の包装紙で包んでもらった。
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