12 / 13

仕返し

 覚悟を決めて、こいつが納得するまで、とことん付き合ってやろうと思った。 「んっ、んぁ……!」  ぺちゃぺちゃと人の口を好き勝手に貪りやがって。  半ばやけくそになった俺は、無理やりキスされた仕返しと言わんばかりの、熱烈な口付けで反抗する。 「あぅ、ん……っ、んぐッ、はふ、んむぅ……っ!」  やつの髪をかき回すように撫でながら、舌を絡めて、食べるみたいなキスをする。  体重をかけてがっつくと、俺の重みと勢いに耐えられなかったやつが後ろにのけ反っていき、口の周りが汚れるのにも構わずに、そのまま深く、長くてしつこいキスをお見舞いした。 「っんむ、んぅ……んっ、ぁ、は……っ、ぁ」 「……まだ足りないかよ」 「あ……っ、あぁっ、やだ、おれぇ……っ、勃たない……っ!」 「っは……?」 「きもち……、のに、勃たねぇよぉ……!!」  長くねちっこい口付けのせいで息を弾ませながら、急にぼろぼろと泣き出したやつに、俺はちょっとびっくりした。  そりゃあ、あんだけ飲んだら普通は勃たないだろ。  俺は飲んでも正常に機能する質だけど、それって珍しいくらいだし。 「やだ、くるし……たすけて、ひっ、ぅ゙」  アルコールのせいで色んな意味で箍が外れているのか、嗚咽を漏らしながら泣きわめき、ついには俺の股間にぐりぐりと急所を押さえつけてくる。 ……それは、やばい。  やつはまるで豹のような引き締まったしなやかな身体つきで、男から見ても羨ましい体型をしている。  そんな相手が腰をくねらせ誘うような動きをしてくるこの現状は、やばい。  ジーンズの上からでも、そいつのふにゃチンが力任せにごりごり当たって、さすがに俺まで勃ちそうだ。

ともだちにシェアしよう!