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泥酔パンサー!!
「んぁっ、あッ、もっと、したいのに……っ、」
「わ、分かったから……! とにかくやめろ、それっ」
「きもちよく、なれる……?」
「……なれるよ、なれるから」
盛大なため息をつきたいのをぐっと堪え、俺はやつのボサボサになった髪を整えながら優しく宥める。
勃たなくても気持ちよくなれる方法──つまりこいつがチンコを使わなくてもいいようなやり方なんて、俺はひとつしか知らない。
「でも、ここじゃ無理だから、家帰ってからな」
「なん、で……?」
「いっぱい気持ちよくてやらしいことするんだろ。ここだと体勢もつらいし、思う存分声も出せない」
「……わかっ、た」
「ん、いい子」
もっともなことを言ってなんとか説得出来た俺は、珍しく聞き分けがよかったそいつの唇に、褒美のようにそっとキスをする。
……あれ?なんか俺まで色々と流されてない?
頭の隅で一瞬だけそう思ったけど、そんな考えはすぐに消えてしまった。
もう全部、酒のせいにしてしまおうと思ったのだ。
「とりあえず、俺んち行く?」
「……うん、行く」
こくんと首を縦に振る素直なそいつに微笑んで、俺らは個室から出た。
ふらふらなやつの身体を支えながら、いかにも“酔っ払いを介抱してます”って感じに見せかけて、さっきの犬みたいなイケメン店員に言って会計を済ます。
「ありがとうございましたーっ!」
「ごちそうさま」
店を出ると、その前にはすでに店員が呼んでくれたタクシーが止まっている。
愛想のいい明るい声を背中に受けながら、ふたりでタクシーに乗り込んだ。
fin.
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