稜が橙里の手を取り、橙里に屹立を握らせた。それと同時に橙里の身体が反転して、いつの間にか稜の逞しい身体に覆われ、稜に背を向ける形になった。 両手で握るように促され、そのまま稜が上下に扱いていく。 「やっ、なに……これっ、ああっ！」 稜が動かしているのに快感を与えているのは自らの手。 この矛盾した行動は、橙里を混乱させるのにぴったりだった。 「……いいところ、擦ってみろ」 稜が橙里の耳元で悪戯に囁く。耳に当たる熱い息も、少し触れた柔らかい感触も、稜の行動一つ一つが橙里に確実な快感を植え付けていく。それらが凶器になり、橙里が喘ぐことによって形にしていくのだ。 もう、抗えない。 橙里はなにもかもを捨て、目の前にある快感を得ることにした。最早今の橙里には得るものも失うものもわからない。 屹立の裏に力を入れ、カリのところまで上に手を動かし、陰毛が生える下際まで下に動かしていく。 裏にある一本の筋を指先の腹でなぞり、自分が気持ちいいと思う行動を続けていくと、先端からは透明な快感の証が絶え間なく溢れ続けていた。