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「なんとなく話の方向がわかってきた。あのイケメンソムリエと妖しい一夜を過ごしたんだね」
「おい。そういうわけじゃない。妖しくない」
「まあ、あんなイケメンさんと同居してはったらそういう風になるのかもしれへんですけど……あ、同棲か」
「おまえもか? 蒼樹、おまえもなのか?」
「やだぁ、ちょっとー! イイ身体してた? してたわよねぇー!」
「腹割れてたよ。割れてたけどその言い方やめてくれ」
「まあ要するにセックスしたってこと……」
「あーもう! うるさい!」
寄って集って、橙里のことをいじってくる。瀬島に相談したのが間違いだったと後悔しても遅い。
男どもが盛り上がっているのを無視し、腰にバッグを巻き付けてハサミやらのセットをしていく。ちなみに、このバッグは幹がプレゼントしてくれたものだ。十数年、ずっとこれを使っている。
自分の髪が跳ねていないかを確認してから店内を掃除しようとすると、戸園が手伝いに来てくれた。
「手伝いますね」
「ありがと」
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