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橙里が女子高校生の髪のカットをしている間、暇になって予約表を確認していると、あのイケメンなワインソムリエがやってきた。 時計を確認するともう九時。時間より少し早めに来るなんて、意外と几帳面なんだと瀬島は思う。 ──今日も随分とかっこいいな。 白いロングコートに、チェックのトップスとジーンズを着た彼はモデルのようだ。橙里と並んでみるとより一層端正な顔立ちが映える。 橙里が美人なのもあるが、並んでいると妙な安心感がある。その効果もあるのかもしれない。 店内をくるりと見渡してから、こちらに向かって視線を送ってくる。その目が冷たく光り、整った眉の間に僅かな皺を刻ませる。 その一連の動作がドラマを見ているようで、気が付けば見入っていた。いや、目を向けざるを得なかった。 他人から見てもわかる、明らかな独占欲。それは好意か、友人としてか。

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