思えば、男同士で恋愛をするのは普通よりも格段に難しいのかもしれない。 結婚するしないは自分だけの問題ではないし、両親がどう思うかもわからない。自分たちだけが納得すればいいという問題ではないのだ。 「うちの親は偏見はないですけど。桐野さんのとこもそうかって言われたらイマイチよくわかりませんね」 「あー、そっか。そうだよな……切ないな……」 本当にそう思い、心を込めてそう言うと戸園が苦笑した。 「本当だったら今すぐにでも告白したいところですけど、やっぱり勇気が出ないというか」 「僕はいつでも応援するよ」 「ありがとうございます」 なんとなく、現実に直面してしまったような気がした。