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「……ももちゃん。なんか言ってた?」 「えっ」 ある程度客が来なくなったあと、羽村がそう聞いてきた。そう聞くのは当然なのだが、少しだけ答えるのに抵抗がある。 ──これは……本当のことを言うべきか、嘘をつくべきか…… 本当のことも言えないし、嘘をつくことなんてもっと出来ない。 だとしたら。 「彼女はいないって。その先は、自分で聞いてみて?」 「嘘ー。それが出来ないんだってぇ……」 「自分で聞いた方が絶対に嬉しい。僕が言っちゃったらつまんないし申し訳ないから」 そう言うと、羽村が赤面する。なんとなく察したようだ。 「……まさか」 「自分で聞いてみた方が本当にいいと思うよ。ね?」 肩を掴んで自分の方に引き寄せ、そう言うと羽村が声を出して笑った。

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