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「もー、参ったなあ。やっぱももちゃんには敵わないや」
「先輩想いでしょ?」
「自分で言わなかったらもっといいのに」
冗談めいた羽村の言葉に、橙里も笑った。
早くくっついてくれれば、こちらとしても気が楽になる。
心から思うのは、この二人なら大丈夫だということと、お似合いだということ。
イケメン同士、お似合いだ。
羽村と話していると、幹がやって来た。
「ももちゃん、ちょっといいかしら?」
「え? うん、わかったー」
手招きされ、幹について行く。羽村が手を振ってきたのでそれに振り返していると、図体がでかい幹にぶつかってしまった。
絶対にこの人わざと止まった。
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