133 / 527

[8]-14

幹に連れてこられたのは従業員専用室で、そこには資料やシャンプーなど、大事なものが置いてある部屋だった。 そこには瀬島もいて、にこっと笑いかけてきた。 瀬島の隣に行き、幹を見上げると幹がふーっと息を吐き出した。煙草の臭いが微かにして、思わず顔を顰める。 「実はね、ここに新しいコが来るのよ」 「女の子?」 「いいえ、男のコよ」 既に瀬島は知らされているのか、苦笑していた。瀬島も女がよかったのだろう。 「二十二歳で、とってもイケメンでアタシ好みなんだけど、少し生意気でねぇ……」 「……幹さん好みっていう情報いる?」 幹がイケメンって言うならばかなり顔が整っているのだろう。 そろそろ新しい美容師が来てもいいと思っていたので、丁度いい。

ともだちにシェアしよう!