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本当に腹が立ち、思わず本性を出してしまった。瀬島も矢本も驚いたように目を見開いている。
流石に矢本も驚いたのか、反論の言葉が出ないようだ。
「おまえが一番年下なんだからな? シャバ僧がイキって年上馬鹿にするんじゃねえよ。先輩に言われたことはなんでも従うんだよ」
橙里は言いたいことだけを言って、瀬島に任せようと思い下を向く。瀬島が苦笑し、矢本に向き直った。
「そういうことだから。わかった?」
瀬島が出来る限り優しい声で言うと、矢本が舌打ちをした。
──疲れた。
ここから先、矢本とやっていかなければならないと思うと、気が遠くなる一方だ。
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