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男性の方はなんとか完成させ、次は女性の方をセットする。 髪を今度はコテで巻いていく。 手際よくミックス巻きをして、全部巻くことが出来たので上の方の髪を手に取り、ねじってから後ろで纏める。 バレッタやヘアゴムを使うのは面倒なので、そのまま髪だけでゴムのように止めた。 こんなものかなと思い手を止めると、遠くで矢本が橙里のことを見つめていることに気付いた。 それを軽くスルーして、手を洗っていると矢本が近付いてきた。 「……なんでわざわざこんなことやるわけ? 他人に下手だとか言っておいて自分は練習かよ」 「違う。セットの練習しとかないと手が鈍るんだよ」 「だったら人間でやればいいじゃん。それとも、頼める人間がいるほど交友関係ないとか?」 矢本が挑発するように見下してきた。つくづく腹が立つが、もう怒っても無駄だろうし、仕方なく答えてやる。

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