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橙里は四つん這いでそのネクタイを掴み、稜に無言で差し出す。
「……は?」
「これで僕の口縛って」
「窒息死したいのか?」
「違う。口縛れば少しは声抑えられるじゃん」
「馬鹿?」
「馬鹿なりに考えました。縛って?」
ネクタイを稜に握らせ、口をきゅっと結ぶ。
稜が呆れたようにため息を吐いてから、口元にネクタイを巻いてきた。
少しだけ圧迫感があるものの、声を聞かれないならなんでもいい。
後ろで結ばれたのを確認してから、橙里が頷く。稜は明らかに嫌そうな顔をしているが、身体を差し出してやってるんだからこれくらいは許して欲しいと思う。
「……キス出来ねえけど、いいのか」
「んー」
「あっそ」
稜が橙里が着ていたニットを上にずらし、胸の突起を弄ってくる。暖房が一切付いていないので、裸になるのは流石に辛い。
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