180 / 527
[12]-2
そのまま橙里の腰に触れてきて、思わず身体を跳ねさせてしまう。
「りょ……」
「こっちだな。こっちの方が細く見えていい」
そう言いながら稜が差し出してきたのは、膨張色の白ではなく黒色のニットだった。
──あれ? 稜ってこんなにエロいことばかり考える人だったっけ?
「……黒?」
「ああ」
口角を少しだけ上げてそう言ってきた。その顔に、思わずどきっとしてしまう。
黒いニットをキャリーバッグに入れてから、今度はズボンを決めようと思い、いくつか持ってくる。
またなににするか迷ったので、稜に聞くことにした。
「りょーお」
「……今度はなんだ」
「どれがいいと思う?」
いくつか並べ、稜に選ばさせる。女のような行動だが、自分に似合いそうなものを稜が選んでくれることが嬉しかった。
ともだちにシェアしよう!