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そのまま橙里の腰に触れてきて、思わず身体を跳ねさせてしまう。 「りょ……」 「こっちだな。こっちの方が細く見えていい」 そう言いながら稜が差し出してきたのは、膨張色の白ではなく黒色のニットだった。 ──あれ? 稜ってこんなにエロいことばかり考える人だったっけ? 「……黒?」 「ああ」 口角を少しだけ上げてそう言ってきた。その顔に、思わずどきっとしてしまう。 黒いニットをキャリーバッグに入れてから、今度はズボンを決めようと思い、いくつか持ってくる。 またなににするか迷ったので、稜に聞くことにした。 「りょーお」 「……今度はなんだ」 「どれがいいと思う?」 いくつか並べ、稜に選ばさせる。女のような行動だが、自分に似合いそうなものを稜が選んでくれることが嬉しかった。

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