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きっと稜は泣いたことなんてわかってる。それでも、橙里に追及することはなく続けてくれた。 橙里は、泣くのを隠すようにして喘いだ。必死に見られないようにして、悟られないようにして。 全てが終わったのはあの夏。 キス一つでなにもかもが崩れていった。 逆に言えば、キスをしなければ今でも友人でいれたかもしれない。 でも、橙里はとっくにわかっていた。友人という関係では我慢が出来ないこと。友人という関係を越えたいということ。 ねえ、稜。 どうしてあの夏、キスをしたの。

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