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当たりすぎていて、つい口を弛めてしまう。この橙里の反応で矢本はわかったようだ。
「あ、マジで? もしかして、あのイケメンな幼馴染?」
「……そう」
「じゃあなんで泣いてたんだ?」
本当に遠慮せずにずかずかと聞いてくる。普段の橙里だったら叱っていただろうが、叱る気力すらなかった。
話を端折りながら説明する。稜のことが好きだということ。好きすぎてどうしようと思ったこと。パニックになって泣いてしまったこと。
それらを説明している間、矢本は真剣な眼差しで橙里のことを見つめていた。
話し終えて息を吐くと、矢本がなにかを考えるように顎に手を当てた。その姿勢のまま固まり、少ししてから動いた。
「つまり、自分の中でなにがなんだかわからなくなって泣いたってこと?」
「まあ、言っちゃえばそうなる。自分でも情けないと思うけど」
額に手を当てると、初めて頭が痛いことに気付いた。
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