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「そんなにわかりやすかったか」 「まーな。普通に手とか繋ぐし、話すときの顔の距離も半端じゃねえし。とにかく、見てるこっちが恥ずかしいってくらい仲良かっただろ」 「……そうか」 言われてみれば他の人間と話す距離より近かったかもしれない。稜から近付いたわけではなく橙里から近付いてきたのだろうが、稜も受け入れたから仕方ないのだろう。 そういえば、橙里は大丈夫なのだろうか。 全く連絡を寄越さない。かれこれ一時間半ほど山本と話しているのに、橙里の身に危険が迫ったりしていたらどうしようか。 「あーでも、一緒に住んでるならくっつくのも時間の問題か? いやー楽しみだわ」 「……」 それにしても、山本の相変わらずの呑気さには苦笑するしかない。

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