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専用室に入り、バッグを漁る。もしものときの為に絆創膏は常備しているので、やや大きめの白いものを渡した。
「ありがと……」
やはり首元を押さえたまま引きつった笑みで受け取った。どう考えても不自然なので、瀬島の気が緩んだ瞬間に瀬島の手をぐっと掴んだ。
案外首を押さえていた手は簡単に外れ、白い首からは付けられたばかりと思われる歯型が付いていた。
「……ん?」
「ちょっ……!?」
瀬島が顔を赤くして動揺した。その目は大きく開かれていて、いつもの瀬島とは全く違う。
──それ付けたの、絶対一人しかいないよな……
「瀬島さん」
「……」
「それ付けたのってさ、矢本?」
「……っな……!」
瀬島が今までにない以上に顔を赤くさせて反応した。その反応ですぐにわかったのだが、ここは敢えてわからないふりをするべきか。
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