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「……もしもし?」 客足が途絶えた昼頃、稜から電話がかかってきた。立ちっぱなしで足が少しだけ浮腫んでいるが痛みにはもう慣れたのでカウンターに寄りかかりながら応じた。 『……もしもし』 「どうしたの? 稜からなんて珍しいね」 『今日、飲み会あるから一緒に帰れねえ。帰るのも遅くなる』 「あー……わかった。何時くらいになりそう?」 『日を跨ぐか跨がない頃に帰る。起きててもいいけど寝ててもいい』 「……うん」 ということは、今日はしないということなのだろう。京都から帰ってきて結構日が経っているのに、一回しかしていない。 橙里のことを配慮してのことなのだろうか。でも、今までは三日に一回くらいのペースでしていたので違和感しかないのだ。 開発されて放置されるなんて、稜に限ってないと思うが。

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