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「あっ……稜……んっ!」
吐き出すように稜の名を呼ぶと、気持ちいいという感情がより色濃くなった気がした。
──稜のは、もっと気持ちいいの……?
ふと、そんな疑問が頭をよぎる。それは、言葉として表されてしまった。
「稜に……挿れてほしっ……!」
叫ぶように、橙里しかいない空間でそう言うと屹立からは白濁が噴き出された。
稜のことを考えただけで達した。まざまざと感じさせられ、橙里はだらしない声が漏れないようにくちびるをきゅっと結んだ。
久しぶりに与えられた快感を身体がもっとと追い求めているのを感じる。
一度火をつけられた劣情は冷めることを知らず、また動きを再開させようとしたそのとき。
ガチャリ。
玄関の鍵が開くような音がした。
まさか、稜が帰ってきたのか? いや、日を跨ぐか跨がない頃に帰ってくると聞いたのに今はまだ日を跨ぐ一時間も前だ。
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