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まさか……橙里が早く帰ってこいと言ったから早く帰ってきたのではないだろうか。
──やっばいやばい! この状態を見られたら、僕の全てが終わる! てか、オナってたってバレる!
わたわたと両手を振り、とりあえず玩具を抜こうとする。しかし、そんな暇がないほどに橙里は焦ってしまった。
稜がこちらに向かってくる足音がする。橙里は、慌ててドアの鍵を閉めようとするも当然鍵なんてついているはずがなく、ドアが開かないように必死に押さえているしかなかった。
取っ手が下に動く。だが開くことはなく、それほど稜が力を入れていないことがわかってほっとしたが、これからが勝負なのだ。
「……開けろよ」
「ちょっ……と待って」
「なんで」
「なんで……って」
稜をダシにしてオナってましたって? 言えるはずがない。
えーと。こういうときは本当にどうすればいいんだ?
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