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「……ただいま……」 いつもより少し早めに家に着いた。幹に少し早く帰りたいということを告げると快く許してくれたので、幹には感謝するしかない。 手を洗い、うがいをしたところですぐに服を脱ぐ。身体を洗う為だ。 きっと稜のことだから洗わなくてもいいとか言うだろう。でも、橙里が綺麗な状態で抱いて欲しいと思ってしまうのだ。 ──やっと、抱いて貰える。 こういう奇妙な関係が始まってから約一ヶ月。好きだと自覚して数週間。稜と出会っておよそ三十年。 身体の関係を持つことになるとは思わなかった。 シャワーを身体全体に当て、大体の汚れを落としていく。真っ白なその身体には傷一つ、黒子一つ見当たらない。

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