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家のドアが開いた音がした。橙里は、ベッドの上に座る。 室内は真っ暗で、少し灯りを付けておいた方がよかったかもしれないと後悔していると、稜がこちらに近付いてくる足音がした。 あ…… ここで、橙里は身体の一部の異変に気付く。 処理しようとしても既に時遅しで、稜が寝室のドアを開けて電気を付けてしまった。 「……橙里……?」 橙里のことを見た稜の目が大きく見開かれる。 それも当然だろう。 何故なら、橙里は一番最初にしたとき稜が着ていた真っ黒なワイシャツ一枚だけを着て、身体の中心を反応させた様子で待っていたのだから。 「……ぁ」 稜の匂いだけで固くなってしまった。稜の全てに溺れた証拠だ。 稜がジャケットを脱ぎ捨て、ニットとジーンズだけを着た格好になったところで覆いかぶさってきた。 「……橙里」 「んっ……」 「いいんだな?」

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