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その二文字は、大袈裟に言ってしまうと二人の運命を変えてしまう──素直になれてしまう、愛の言葉。 好き。この文字に隠された思いは簡潔なものだけど言わないと伝わらなくて、簡潔な言葉なのに言うことが勇気がいるもので、中々言えない。 でも、一回言ってしまえばその思いは溢れ出して止まることを知らない。 今なら何回でも言える。 「……稜」 「ん」 「好きだよ」 「……俺も」 稜が笑った。珍しい顔だ。 これからも、そんな顔を見ることは出来るだろうか。 いや、きっと出来る。 自分が稜の傍にいる限り。 好きというたった二文字を、言い続けよう。 End.

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