468 / 527

稜さんの憂鬱1

稜さん視点のSSです! ※R18です。 稜さんが橙里のことを溺愛しています。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「……あ、プレゼントあるの忘れてた!」 久しぶりの休日。朝食を食べ終え、橙里の分と自分の分のコーヒーを用意していると不意に橙里がそう言った。 プレゼント? なんのことだ。稜は内心首を傾げる。 ──ああ、誕生日のか。 橙里がぱたぱたと足音を立てながらリビングから姿を消した。橙里の誕生日に告白をしたのだから忘れるのも無理はないだろう。 にしても、一週間以上経った今思い出すか。 橙里らしい行動につい笑ってしまった。 マグカップにコーヒーを入れ、ソファの前のローテーブルに置いたところで橙里がダンボールいっぱいに入った紙袋を重そうに持ってきた。 子どもみたいでかわいい。 「それ全部?」 稜が問いかけると、橙里がこちらをぱっと見た。くりっとした大きな目が稜を捕らえ、赤く色付いたくちびるがくっと歪む。 「うん。郵送された分もある」 「郵送?」 「お母さんからとか、専門学校の友達からのとか」

ともだちにシェアしよう!