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稜さんの憂鬱1
稜さん視点のSSです!
※R18です。
稜さんが橙里のことを溺愛しています。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「……あ、プレゼントあるの忘れてた!」
久しぶりの休日。朝食を食べ終え、橙里の分と自分の分のコーヒーを用意していると不意に橙里がそう言った。
プレゼント? なんのことだ。稜は内心首を傾げる。
──ああ、誕生日のか。
橙里がぱたぱたと足音を立てながらリビングから姿を消した。橙里の誕生日に告白をしたのだから忘れるのも無理はないだろう。
にしても、一週間以上経った今思い出すか。
橙里らしい行動につい笑ってしまった。
マグカップにコーヒーを入れ、ソファの前のローテーブルに置いたところで橙里がダンボールいっぱいに入った紙袋を重そうに持ってきた。
子どもみたいでかわいい。
「それ全部?」
稜が問いかけると、橙里がこちらをぱっと見た。くりっとした大きな目が稜を捕らえ、赤く色付いたくちびるがくっと歪む。
「うん。郵送された分もある」
「郵送?」
「お母さんからとか、専門学校の友達からのとか」
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