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稜さんの憂鬱2

そのプレゼントの量だけで、どれだけ橙里が色んな人間から慕われているのかがよくわかる。 目に見えるだけで二十個はあるな。 橙里はソファに座ろうとしたようだが、ソファに背中を預けてラグの上に座る稜を見て、稜の隣に座った。 なんだ、このかわいい生き物は。 稜が心の中で悶えているとは知らずに、橙里が紙袋を手に取った。 パーカーに着なくなった稜のロングTシャツだけを着た橙里が足を伸ばし、その上に紙袋を乗せる。 コーヒーを啜り、テレビを付ける。 隣では橙里がごそごそと紙袋の中を漁っている。ゆったりとした朝だ。 「あ、これ……なんだ?」 「ん」 橙里が手にしているのは某高級ブランドの財布で、そのブランドすら知らないのかとつい苦笑する。 「めっちゃ高ぇやつだな」 「まじ? ……みんな金持ちだなー」 橙里が丁寧にテーブルの上に置き、紙袋を畳んだ。こういうところがしっかりしていて、きっと性格にも惹かれたんだと思う。 「稜ってどれくらいプレゼント貰った?」 「まあまあ。客からも貰ったけど……客から貰った数の方が多いな」 「……女の人?」 「男もいたけど」 あ、嫉妬している。 別に大したものは貰っていないし、アクセサリー類が多いから高級なものを貰ったわけではないのだが。

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