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第5話
ぐぽっと突き入れた牡で、奥の奥までを暴く。
思い切り腰を振りたいけれど、あんまり激しい音を立てるわけにもいかない。
芦屋が寝ている横で、住吉は芦屋の妻を抱いているからだ。
奥さんは喘ぎをこらえるためにてのひらで口を塞いでいたが、ぐちゅぐちゅと奥を責められている内にちからが抜けてしまい、いまは必死に壁に縋りついていた。
だからいまは住吉が、背後から回した手で奥さんの唇を覆っている。
この体制が、まるでレイプでもしているようで、住吉の興奮を駆り立てた。
無理やり事に及んでいるのではないという証拠に、奥さんは、口を抑えている住吉の指に舌を這わせたり吸ったりと、そこを愛撫してくるし、彼の孔はやわらかく住吉を迎え入れて、放すまいと絡みついたりしてきている。
武流さん、と奥さんがくぐもった声で住吉を呼ぶ。
奥さんよりも明らかに年下の自分に対しても、『くん』ではなくて『さん』付けだ。
しかも、
「ああ……すごいっ、お、大きいっ」
と、ビクビクと体を跳ねさせながら感極まったように男を悦ばせることを口にする。
さすが芦屋の妻だ。男を立てるのがうまい。
住吉もすっかりいい気分になり、片手で奥さんの胸をまさぐりながら、たんっ、たんっ、と媚肉の奥を穿った。
奥さんが首を振って、目尻に快楽の涙を滲ませる。
住吉が口を覆っていたてのひらをずらすと、はふっと苦し気な息を吐き出して。
奥さんが潜めた喘ぎを零した。
「あっ、あっ、だ、ダメですっ」
「なにがダメなんです?」
背後から耳元に口を寄せて、そう問うと、オーバーサイズのTシャツを着た背が、官能的なラインを描いて反らされた。
住吉の手は、そのシャツの中に潜り込み、ぷくりと腫れた乳首を弄っている。
その動きを止めようとしているのか、相手の手が甘い抵抗を示し、住吉を拒んでいた。
「こ、こんなこと……」
吐息のように拒絶の言葉を発する唇は、艶めいて。
その赤色に、住吉の背はぞくりと震えた。
「こんなこと?」
笑いを含んだ声で、繰り返して。
住吉は彼の色づいた耳朶を舐めた。
ぴちゃぴちゃと水音を立ててしゃぶると、その度に背後から抱き込む形になっている体がびくびくと跳ねる。
「こんなことってのは、なんです?」
意地の悪い囁きに、
「ああっ」
と色っぽい喘ぎが被さった。
「酔って寝ている夫の横で、夫の部下に抱かれることが、こんなことですか? ……奥さん」
住吉はそう言って、上司の妻の蕩けた孔に、欲望を突き立てた……。
裾をたくし上げて彼の陰部を露出させると、住吉に突かれる度に奥さんの無毛の性器が大きく揺れているのが見えた。
パンパンに張りつめたそれは、限界を訴えて濡れている。
奥さんの体の昂ぶりに呼応して、後孔の具合もどんどんと良くなっていった。
先端への吸い付きや、竿への締め付けが……これまで抱いたどの女よりも絶妙で、男を悦ばせるための孔だと、そう思った。
芦屋はいつも、こんなに気持ちのいい体を抱いているのだ。
羨望と嫉妬が、不意に住吉の中に芽生える。
「俺と部長、どっちがいいですか?」
そう問いかけると、奥さんが顔を捻ってこちらを見上げてきた。
その秀麗な目元を、羞恥の色に染めながら。
奥さんの指が、住吉の手に絡んだ。
言葉はなかった。
けれど、奥さんは確かに住吉を求めていた。
我慢できずに、住吉は奥さんの腰を掴み、バックからばちゅばちゅと奥さんを突き上げた。
「ひぃっ、あっ、あぅっ」
唇を噛んで尚、堪えきれなかった悲鳴が奥さんの唇から漏れる。
内部の蠢きはいよいよ激しく……。
淫蕩な肉鞘が、住吉の欲望をきつく締め付けてきて。
住吉は、いまにも達しそうになった。
射精を目前に、奥さんの孔から自身を引き抜こうとした住吉の動きを、奥さんが阻んだ。
ビクビクと腰を揺らしながら、奥さんが……。
「な、なか、に、ください……」
と、ものすごく色っぽい声で、囁いたから。
住吉の理性はもう跡形もなくなり、激しいピストンの末に、大量の白濁を奥さんの中へと解き放つ。
どびゅ、どびゅ、と中出しをした瞬間。
奥さんの背が反らされて、
「んんんんっ」
噛み殺した喘ぎとともに、奥さんのそこも白くどろりとした液体を吐き出した。
住吉は咄嗟に、奥さんの性器をTシャツの裾で覆い、淫液を受け止めた。
2人はしばらく繋がったまま、弾んだ呼吸を整えた。
ひく、ひく、と断続的な痙攣を見せる奥さんの肩を、住吉は背後から掴んだ。
薄く開いた、奥さんの唇。
そこが淫靡に赤く色づいており……なんだかたまらない気分になった。
「奥さん……」
住吉はそっと顔を寄せ、奥さんの顎に手を這わせてこちらを向けさせた。
そのまま、口づけをしようとした、そのとき……。
「う~ん……」
小さな呻き声を上げて、ベッド上の芦屋が、ごろり、と寝返りを打った。
ドキっと心臓が跳ねた。
と同時に、奥さんの後孔もキュっとすぼんで、中に居る住吉を締め付けた。
住吉は咄嗟に息を飲んで声を堪える。
奥さんも手で自身の口を抑えていた。
……緊張する2人を余所に、芦屋は健康的な寝息を立てながら眠ったままだった。
住吉と奥さんが同時に、ホッと安堵の息を吐く。
安心した途端に、住吉の牡を咥えたままの孔が、淫らな蠢動を始めた。
ぐにゅぐにゅとした絶妙な締まりを味わっている内に、住吉の欲望がまた硬度を増してゆく。
奥さんが熱い吐息とともに住吉を見つめた。
もう一度、欲しい、と。
潤んだ瞳が、そう物語っていて。
住吉と奥さんは、場所をリビングに移し、二回戦目に挑んだのだった……。
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