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第4話

 腰の下で結ばれている黒い紐を引っ張ると、蝶々結びがほどけ、はらり、と前が開いた。  Tバックの黒い布地に、先ほど奥さんが放った精液がねっとりと広がっていて、卑猥であった。  奥さんの身に着けていた下着は、股部分が浅く、局部しか覆っていなかったため薄々気付いていはいたが、陰部は無毛であった。  熟れ切った体をしているのに、性器周辺はつるつるとして子どものようで……そのアンバランスさに住吉は興奮した。 「奥さん、パイパンなんですね。部長の趣味ですか?」  問いかけながら住吉は、奥さんの淫らな肉棒を手でくちゅくちゅと捏ねた。  同じ男のモノを触ったのはこれが初めてだったが、色も形状もグロテクスさなどは欠片もなく、むしろきれいですらあった。   「あっ、あっ」  ビクビクと腰を揺らす奥さんの性器が、徐々に硬くなってゆく。  ふるり……と健気に震えたその先端に、淫液が滲んだ。    太ももまでズボンをずり下げた状態の奥さんの腕を掴んで、住吉はリビングを出た。  不自由な歩き方の奥さんが、狼狽えたように、 「ど、どこへっ」  と、上擦った声を上げた。    住吉が向かったのは、芦屋の寝室だった。  そっとドアを押し開くと、薄暗がりの中、芦屋が熟睡しているのが見えた。  住吉は足音を忍ばせて部屋へ入り、奥さんも強引に引きずり込んだ。 「す、住吉さんっ」  囁く声のトーンで、奥さんが住吉の名を呼ぶ。  色香の滲む声音に、住吉の頭が痺れた。  もっと呼んでほしい。 「武流(たける)ですよ」  耳元に、そう流し込んで。  住吉は、奥さんの体をベッド横の壁へと押し付けた。  そのままくるりと反転させて奥さんの背後をとると、性急な仕草でぶかぶかのTシャツをたくしあげる。  露わになった、ほどよい肉付きの尻。  その狭間に、勃起した己の性器を押し当てた。  奥さんが壁に両手をつき、こちらに振り向けた顔を、ぶるぶると横に振った。  奥さんの目は、熟睡している芦屋の方を示している。    やめて、と。  その唇が、動く前に。  ずぶり……と住吉は剛直をそこにねじ込んだ。 「ひぃっ」  息を飲むような悲鳴を零した口を、奥さんが自身のてのひらで塞ぐ。  住吉も、必死に唇を噛みしめた。  欲望を突き入れた奥さんの孔が……あまりに気持ち良かったからだ。  ぐにぐにと蠕動する肉筒は、やわらかく住吉を迎え入れたかと思うと、全体をぎゅうっと締め付けてくる。  先端部分はきゅうきゅうと吸いつかれ、はっきり言ってめちゃくちゃイイ。 「なんだ、この孔……」  住吉は呻いた。  やばい。持って行かれそうだ。  酒が入っていなければきっと、瞬殺だった。  住吉はアルコールを摂取すると達しにくくなる体質なのだ。    奥まで収まった巨竿を、ぬぷぷ……と引き抜く。  大きく張ったエラの部分が後孔を拡げ、鈴口が抜けるぎりぎりまできたところで、住吉はまたゆっくりと押し入った。  奥さんの背と喉元が、反らされた。  官能的な曲線だ。  口を押えたままで奥さんが首を振っている。 「う、うそ……動かないで……」  密めた声で必死に訴えてくるそれを、住吉は無視した。  ぬちゅ、といやらしい水音が結合部から漏れる。    奥さんを貫きながら、住吉はそっと芦屋の様子を伺った。  閉じた瞼はびくともしない。  よく眠っている。  真横で自分の妻が部下に犯されているとも知らずに、芦屋は夢の中だ。    起きる気配がない上司の姿に、住吉の気がどんどん大きくなってゆく。  奥さんの腹を抱えるようにして背後から抱き寄せ、自分は腰を前へと突き出した。  ビクンっ、と腕の中の体が大きく跳ねた。 「んんーっ、んっ、だ、だめっ」  深い部分に挿入したまま、住吉がローリングするように動かすと、奥さんが上ずった声をあげた。  住吉の動きを止めたいのか、右手が後ろに回され、住吉の太ももを押しのけようとしてくるが、ほとんどちからが入っていない拒絶は、住吉の興奮を高めただけだった。  ごそり……とTシャツの裾から手を潜らせて、女を抱くときのクセで胸を揉む。  奥さんのそこは、当たり前だがほとんど平らで……しかし、ほどよくついたやわらかな筋肉が、むちっとてのひらにフィットした。  なかなかいい手触りだ。  胸を弄っているうちに、住吉の指は奥さんの乳首を探り当てる。  ぷくりと腫れた粒を指先で弾くと、奥さんが鼻にかかった喘ぎを漏らした。 「ふっ……ん、んんっ、も、もう、やめて……」  左手で口を塞ぎながら、奥さんが色っぽく涙を滲ませる。  いやらしい乳首を乳輪ごと摘まんでやると、後孔がひくひくと蠢いた。その締め付けが、たまらない。    住吉は絡みついてくるその媚肉から、己の剛直を引き抜いた。  ちゅぽん、と淫猥な音を立てて牡が抜け出る。  住吉を咥え込んでいた奥さんの孔は卑猥に開いて、もう一度挿れてほしいと言わんばかりにパクパクと動いた。  奥さんが赤く色づいた目元をさらに染めて、住吉を振り向いた。  呼気を乱した唇は、まだ彼のてのひらによって塞がれている。  住吉は勃起した淫棒を見せつけるように、尻たぶの間に挟んだ。  ぬる、ぬる、と前後に動かすと、奥さんの足が震えた。  ああ……と熱っぽい吐息が漏れて……。   「い、挿れてください……」    と、奥さんの方から懇願してきた。 「でも、嫌なんですよね?」  住吉が唇の端で笑って、摘まんでいた乳首をこりこりと(もてあそ)ぶ。  ビク、ビクと肩を揺らした奥さんが、首を横に振った。 「ほ、欲しいです……」 「なにが欲しいんですか?」 「……住吉さんの……大きなおちんちんが、欲しいです」 「武流ですってば」  ぬるん、と尻の狭間でいきり立った欲望をこすりつけると、奥さんがおずおずと両手を背後に回し、自ら尻の肉を左右に広げた。  濡れてヒクつく後孔を、住吉の眼前に晒して。 「武流さんの、おちんちんを、挿れてください……」  寝ている夫の横で、奥さんがそんないやらしいセリフを口にした……。    

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