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葛藤
いろんな感情が渦巻いて、俺はひとりで無駄に飲んでしまい やっぱり酔っ払ってしまう。
志音に、見かけによらず酒が弱いのかと聞かれた。別に弱いわけじゃない。今日酔っ払ったのは志音のせいだ……
志音の声が心地いい。
スッーとそのまま睡魔に襲われ、半分夢の中でふわふわとする。そんな中、近くで志音の声が俺を呼んだ。風邪をひくからベッドに行けって言っている気がする。
なんとか目を開けると 少し呆れたような、心配そうな、そんな不安げな志音の顔が俺を覗いてた。
抱きしめたくなる……
肌に触れたくなる。
だめだ、やっぱり酔ってんな俺。
志音に「もう寝る」と伝え、逃げるようにして俺はベッドに潜り込んだ。
睡魔に襲われたと思ったのも束の間、志音がベッドに入って来て目が覚めてしまった。
タイミングが悪すぎる。
ゴソゴソと志音の動く気配がすると思ったら、背中にぴたっと何かが触れた。俺の膝裏に志音の足が触れてるから、背中に触れてるのはきっと志音の頭だろう。
遠慮気味に、そっと俺の背中に触れる志音。
俺を起こさないように……か、たまたま触れたのか。 俺は気が付かれないように寝たふりをしていたのに、不意に肩に手を置かれ驚いて体がびくっと動いてしまった。
「あ…… ごめんね。起こしちゃった?」
小さな声で志音が背中に話しかけてくる。
「………… 」
初めから起きてたけど……
俺の肩にかかる志音の手は小さく震えていた。
「……先生。俺の事、抱いてよ」
「………… 」
志音は何を思って俺に「抱いて」と言っているんだ?
志音には俺はどう見えてるんだろうか……
だめだよ志音。
震える声で、そんな事を囁かないでくれ。
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