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第8話
バン‼
本当にこの学校は騒々しい。
だが、今の俺はそんなことを気にしてる場合でもない。
なぜなら…
「ねぇ、なんで邪魔するかなぁ。
俺の楽しみ減ったんだけど。」
俺は今、男子トイレで昼の彼に迫られている。
こうやってみると俺よりも背が高い。
い、いやそんなことを考えてる場合でもない。
「どういうことだ。君が苛めにあっていたように思えたから辞めさせただけだけど。」
「さっき、あんたもいってたじゃねぇか。自由を奪うなって。
俺は別に助けを求めた覚え無いんだけど。
つーか苛めにあいつつ、そこからどんでん返しをするのが俺の楽しみだってのによ。」
「そうか。じゃ言い方を変えよう。
君はあんな行動をして全員が見て見ぬふりをすると思うのか?
助けて欲しくないなら場所を選べ。
人目の付かないところで勝手にやっていろ。
迷惑だ。」
はた迷惑だ。
そんなしょうもないことでなぜトイレで壁に押さえつけられなければならない。
「ハハ、言うねぇ。
まるでαの言うことが全てだとでも言うようだ。
あんたの親父さんも結局はその権力を振りかざしてるだけだろ。」
「ふざけるな!父を侮辱するんじゃない。
これ以上言うならお前の秘密をばらまいてやる。」
「へぇ?秘密かぁ。それはどんなことだろうなぁ。
俺も知りたい。」
誰が言うか。
そんなものもってねぇよ。
という顔を渾身にぶつける
「ねぇ、教えてよ。春日君」
その眼差しに惹き込まれそうになる。
「は、この学校のやつらは本当のΩを知らないからな。
せいぜいお前のその変な趣味で楽しんどけよ。
偽物Ω。」
言っちゃったよ。
何してんだ俺。
バカかよ。
「え?凄いね‼
なんで分かったの?俺がΩじゃないって。じゃ、本当は何か分かる?」
「知らない。知る気もない。
というかそろそろ帰らせてもらっていい?
俺、塾あるんだけど。」
「へぇ、塾行ってるんだ。αに塾なんて必要ないと思うけどね。」
「うるさい。とにかく俺は……」
//ドクン//
「うっ‼」
//ドクン//
「うぅ…ぁぁ…なん、だ…これ。」
「ヒッ!…いた…い…」
腹が痛い
頭が痛い
腰が痛い
足が痛い
腕が痛い
あそこが…痛い
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