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第7話
数日後、
学校の食堂で俺は平然と昼飯を食べていた。
ガッシャァァン‼
「あ、わりぃわりぃ。秋等 君。
匂いがキツすぎてどこにいるかきずかなかったよ。
てか、お前にここの飯食うのは食料の無駄になるんだからさ、せめて残飯処理に徹してたら?」
辺りに広がる乾いた笑い声。
虫酸がはしる。
「だいたい、どんな大金をはたいてこの学校に入ったんだ。
この学校の恥だっての。
Ωは…」
バン‼‼
「なぁ。うるさいんだけど。
他のみんなは昼御飯を食べてる。
自由に時間を過ごしてもいいが人の自由を奪うような行為は許さないから。
それに…。これから社会に出ようとする人がこんな子供染みたことを。
それこそ社会の恥だとわかれよ。」
辺りは静寂に包まれた。
俺は何にも間違っていない。
だってそうだろ。
自分がαとして生まれただけで勝負に勝ったように振る舞う。
テレビや学校では差別をなくすよう諭 すが現実はそんなに甘くない。
現に俺もこの有り様。
そうなればもう、立場を均等になるようにΩが努力するしかなくなるんだ。
「ちっ。…るっせぇよ。」
男たちはその場から離れる。
一人、散らかってしまった昼飯を片付ける彼。
俺はしゃがみこみ一緒に片付ける。
「あ~、ツマンネェ。」
え?
「え、ごめん今何か言った?」
その問いかけを無視して彼は颯爽と消えていった。
なんて言ったのだろう。
それにこの匂い。
とてもフェロモンとは思えない。
これは香水だ。
こんなにきつくふってなんのつもりなんだ。
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