12 / 14

第12話

テレビの中で裕翔が記者会見を行っている。 『私には大切な恋人がいます。でも、今回の熱愛報道でその人を傷つけてしまいました。あの熱愛報道に載っていた写真には本当は周りにドラマの関係者もいました。彼女はよく私の相談を聞いてくれました。私の、私たちの関係について...。 』 『私が今お付き合いさせていただいてる方は男性です。 』 「っ!...な、なんで」 『世間に認めて貰えないこの関係に悩んでいる私に彼女はたくさんの言葉をくれました。彼女は私にとってとても大切な友人です。彼との関係以外のことでも沢山の言葉をくれました。彼女のお陰でわたしは舞台にたっていると言っても過言ではありません。でも、それ以上に彼の存在もとても大切です。学生時代から売れない私をずっと支えてくれました。それに何も返すことが出来ない私はとても無力に思えました。でも、今回の報道で彼を傷つけた時、私は気づきました。俳優として生きることよりも彼を幸せにする事の方が大事だったことに。これ以上俳優を続けていくより、彼の側でずっと彼を幸せにすることが今の私のやりたい事だと。もちろん、関係者の皆様には多大な迷惑をかけてしまうと分かっています。でも、それ以上にかれが大切なんです。私のわがままに過ぎませんが今、引き受けている仕事をすべて終えてまた新しい人生に歩んでいこうと思います。突然の発表で申し訳ありません。 』

ともだちにシェアしよう!