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第13話
「...うぅ。」
「ごめんね、春。ホントは報道された後すぐ春に何か言うべきだったんだけどね、何言っても言い訳にしかならないしどうしようって思ってたんだ。お芝居をすることはほんとに好きだし俳優になれたのもすごく嬉しかった。でもね、春を幸せにすることの方が俺の中では芝居を続けることより大事なの。だから俳優を辞めることにした。俺には春が側にいるだけで十分だから。俺の夢は俳優になることより春を幸せにすることになってた。俺の気持ち伝わった?」
「...うぅ。じゃあ昨日電話した時にあの女が出たのは?」
「それはね、みんなお店で酔いつぶれちゃって間違えて彼女が出ちゃったみたいなんだ。今日の朝、電話きてたってきいて俺のスマホの方に着歴きてたから多分それかな。」
「...うぅ。ほんとに?浮気してない...?」
「しないよ。春がいるもん。まだ不安?」
そういって裕翔は春を抱き寄せた。
「ううん。もう大丈夫。でも、裕翔仕事辞めちゃったらどうするの?」
「んー、2人で小さな街に引っ越して暮らしたいなぁ。あっ、お店とかやりたいなぁ。」
「ふっ。じゃあ俺も仕事辞めようかな。」
「うん。そうして。ずっと2人でいよう。」
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